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Chairman's Greeting

学会長挨拶

クローバー

心と体と脳をつなぐ

 この度、第36回青森県作業療法学会が十和田市で開催されることとなりました。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行してから1年以上がたち、私たちの日常は取り戻されつつあります。パンデミックで普及したオンラインでの学会や研修会は私たちの新しい“あたりまえ”となり、移動時間や旅費をかけずに簡便に研鑽ができるようになりました。一方で、研修会は領域ごとに分科が進み、限られたコミュニティでの交流が増えてきたように思います。

 私たち作業療法士は、身体障害領域、精神障害領域、発達障害領域、老年期障害領域に分かれて作業療法を提供していますが、対象者を“身体”や“精神”といった枠組みだけで捉えることは困難です。作業療法の対象は“疾患”ではなく“人間”です。体の不調は心や意識を変え、心の不調は運動のパフォーマンスや生活行為に影響を与えます。こういった人間らしさは、生物の中でも人間で特に発達を遂げた“高次脳機能”が重要な役割を果たしており、目には見えない“つながり”によって保たれています。この“つながり”が乖離することで、生活に様々な不都合が生じてしまいます。作業療法の対象が人間である限り、どの領域であっても高次脳機能の知識を深めていく必要があると思います。

 さて、本学会のテーマは“心と体と脳をつなぐ”としました。これには、対象者の乖離した心と体と脳をつなぐという意味に加え、作業療法士が領域の壁を越えてつながり、交流を深めていきたいという願いも込めました。地域共生社会の実現に向けて、まずは私たち作業療法士がこれまで以上にお互いを知り、連携を強化していく必要があると考えています。人間を追究する中で、ボーダーレスな作業療法を考える機会にしたいと思っています。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

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